駒場東大前駅周辺再開発への取り組み

私たち駒場文化推進委員会は、駒場東大前駅周辺の再開発への取り組みも積極的に続けています。

駒場東大前駅はエレベーター・エスカレーターが西口にしかないなどバリアフリー動線が十分でなく、また線路で大学と商店街が分断されてしまっているのが現状です。そんな中、西口では国家公務員宿舎跡地(約10,000㎡)、東口では郵政宿舎跡地(約3,000㎡)の再開発が控えています。これらの再開発を活かして、駒場を住民・商店街・学生にとって「より良い街」に変えていきたいと考えています。

2016年・2017年には駒場野公園で行われている「こまばのまつり」でワークショップを開催し、住民や学生・来街者など延べ230人から様々な意見を伺いました。

2016年のワークショップでは、「駒場のここが好き!」「駒場にこれが欲しい!」という声を集めました。すると、駒場野公園をはじめとする駒場の緑あふれる環境を好む人が多かった一方で、スーパーマーケットや保育園、高齢者施設などが欲しいという声も多数寄せられました。

私たちはこれらの声を基に、西口の国家公務員宿舎跡地の活用プランを作りました。駅の西口前に大きな階段を作って町の玄関とし、中央の広場を囲う形でスーパー、保育園、デイサービス施設、カフェ、カルチャーセンターを設ける計画です。このプランは学生団体「KOMABACK」と共同で、2016年の駒場祭において発表し、大きな反響を得ました。

ワークショップを基に発表した提案

しかし、使われなくなった公有地は、価格に基づく入札で民間企業に売却され、その企業が収益性を念頭に再開発を進めていくというプロセスが一般的であり、地域の要望を直接的に反映させることは容易ではありません。場合によっては住民が望まないものができてしまうこともあります。そこで翌2017年のワークショップでは、「駒場に建ってほしいもの」だけでなく、「駒場に建ってほしくないもの」の声も集めることにしました。

その結果、スーパーマーケットやレストラン・カフェは「建ってほしい」という声が多かった一方で、マンションは「建ってほしくない」という声が多く寄せられました。

2018年、駒場公務員宿舎跡地を定期借地で民間企業に貸すという方針が関東財務局から示され、それに伴って目黒区が跡地活用のたたき台を作ることになりました。区が募集したパブリックコメントに対し、私たちも一連のワークショップ・提案に基づいた意見書を提出しました。

パブリックコメントや民間企業へのサウンディング調査を基に、目黒区が示した活用方針では、コミュニティ拠点(住区センターの移転)やスーパーマーケット、特別養護老人ホーム、防災備蓄倉庫が「導入すべき施設」として示されました。駅に向かって広場状の階段を設けたイメージが明示されるなど、私たちの要望の多くが反映されています。

現在、国家公務員宿舎跡地では解体工事が進められています。

跡地を落札した事業者からの提案内容では、スーパーをはじめ、ワークテラス、学生寮、学童クラブなど、まちと学生、子どもたちの共存に資する様々な機能が提案されています。いよいよこの場所の未来が具体的に見えてきました。

私たちはこれからも、新しい時代へと向かっていく駒場の街を見守っていきたいと思います。